Memento mori -for Wind Ensemble-
片岡俊治
2 Fl. 2 B♭Cl. B.Cl. A.Sax. T.Sax. B.Sax. |
2 B♭Trp. 2 Hrn. 2 Trb. Euph. Tub. E.Piano or Piano |
Perc. S.D. B.D. Sus.Cymb. T-tam Marimba Xylo. |
メメント・モリ(Memento mori)は、ラテン語で「死を想え」「死を忘れるな」などという意味の警句である。この曲は大きく三場面で構成される。 第1部(冒頭~38小節) 冒頭のピアノの和音が「生命の響き」を意味し、この和音が曲全体を支配する。14小節目からフルートが奏でる旋律が「生のテーマ」、18小節目からユーフォニアムが奏でる旋律が「死のテーマ」である。第1部はこの二つのテーマが変奏しながら進行する。 第2部(39小節~43小節) 第2部のテーマは「愛」である。 わずか5小節しかないが非常に重要な場面である。 第3部(44小節~114小節) 第3部のテーマは「死の舞踏」である。 中心となるメロディーは「死のテーマ」が拡大したもので、その他に今までのテーマが断片的に現れる。第3部に出てくる変拍子の分子を横に並べると私の生年月日になる。 第3部は銅鑼の一撃により締めくくられ再現部(115小節~終わり)に入る。再現部では今までのテーマが解放されるかのように形が崩れていく。そして最後にピアノの和音が打たれ曲は締めくくられる。 再現部を一つの場面として捉えなかったのは輪廻転生を意識し、終わり(再現部)は始まり(第1部)でもあると考えたからである。
片岡俊治
1983年埼玉生まれ。
日本大学芸術学部音楽学科卒業。同時に、芸術学部長賞を受賞。
第78回読売新人演奏会に出演。現在、同大学院修士課程に在籍。
これまでに作曲を大塚由紀夫、鵜崎庚一、峰村澄子の各氏に、サクソフォンを中村均一氏に、指揮法を川本統脩、近藤久敦の各氏に師事。現在、桶川市民吹奏楽常任指揮者。
-主な作品-
~吹奏楽~
・On The March(第9回「響宴」入選作品)
・木曜日の行進曲(第12回「響宴」入選作品)
~室内楽~
・火の鳥-弦楽四重奏のための
・蜘蛛の糸-芥川龍之介の同名童話への付随音楽(A.Sax&Pf)